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一次データ ・ リポジトリ実測

OpenProjectとRedmineの違い

どちらもプロジェクト管理のオープンソースで、実は片方がもう片方の派生です。ただし実際に測ると差は小さくありません。日本語78.9%対98.0%データベースはPostgreSQL専用対マルチ対応ライセンスはGPL v3対v2。公式リポジトリを直接読んで比べました。

公開:2026-08-03対象:OpenProject v17.6.0 / Redmine 7.0.0測定日:2026-08-03

1結論を先に

観点OpenProject 17.6.0Redmine 7.0.0
日本語の翻訳率(実測)78.9%98.0%
英語のまま残る項目数1,16127
ライセンスGPL v3GPL v2
データベースPostgreSQL 16以上(MySQLはサポートを外す方針を公式FAQに明記)MySQL / PostgreSQL / SQLite3 / SQLServer
最小メモリ(公式)4,096 MB公式に数値の記載なし
2026年のリリース本数3510
Windows公式サポート対象外制限の記載なし
公式ドキュメントの日本語無し(英独西仏葡)
ひとことで

「日本語で確実に、軽く始めたい」なら Redmine。「ガント・かんばんを標準機能として使いたい」なら OpenProject。ただし OpenProject は主要機能の一部が有償のEnterprise限定で、無料のCommunity版だけでは使えないものがあります(別記事で30機能を列挙)。

2まず出自 ─ OpenProjectはRedmineの孫にあたる

この2つは「似ている」のではなく、片方がもう片方から分岐したものです。推測ではなく、OpenProject のソースコードの先頭にそう書いてあります。

# app/models/project.rb(v17.6.0)の冒頭
#-- copyright
# OpenProject is an open source project management software.
# Copyright (C) the OpenProject GmbH
#
# This program is free software; you can redistribute it and/or
# modify it under the terms of the GNU General Public License version 3.
#
# OpenProject is a fork of ChiliProject, which is a fork of Redmine. The copyright follows:
# Copyright (C) 2006-2013 Jean-Philippe Lang
# Copyright (C) 2010-2013 the ChiliProject Team
系譜(ソースの著作権表記より)
RedmineJean-Philippe Lang 氏。著作権表示は 2006-2013 と記載
ChiliProjectRedmine からの分岐。著作権表示は 2010-2013
OpenProjectChiliProject からの分岐。現在の権利者は OpenProject GmbH
同じ祖先を持つため、プロジェクト・作業(チケット)・ロール・ワークフローといった基本概念はよく似ています。Redmine を知っていれば OpenProject の考え方はすぐ分かります。

3ライセンスが違う(GPL v3 と GPL v2)

両方とも GPL ですが版が違います。リポジトリのライセンスファイルを直接見て確認しました。

OpenProject = GPL version 3LICENSE の1行目が「GNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 3, 29 June 2007」
Redmine = GPL version 2doc/COPYING の1行目が「GNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 2, June 1991」
実務上どう効くか

自社内で使う/SaaSとして運用するだけなら、どちらもソース公開の義務は生じません。GPLの公開義務は「頒布(配布)」に紐づくためです。効いてくるのは、改変版をアプリとして配る場合と、両者のコードを混ぜて再配布する場合です。後者はv2とv3で条件が違うため個別に確認が要ります。

※ここはライセンスの一般的な性質の説明であって、個別案件の法的助言ではありません。配布を伴う場合は専門家にご確認ください。

4いちばん効く違い ─ データベース

選定でもっとも実害が出やすいのがここです。OpenProject は実質 PostgreSQL 専用です。公式のシステム要件に挙がっているのは PostgreSQL だけで、MySQL の記載はありません。さらに公式の導入FAQには、両方を支え続けるのは現実的でないとしてMySQLのサポートを外す方針と、pgloader を使って PostgreSQL へ移行する手順が書かれています。

OpenProject(公式システム要件)Redmine 7.0.0(doc/INSTALL
PostgreSQL16以上を公式サポート(13〜15は非公式・動く可能性あり)PostgreSQL 14 でテスト
MySQLサポートを外す方針(公式の導入FAQ。PostgreSQLへの移行手順を案内)MySQL 8 でテスト
SQLite3記載なしSQLite 3.11 でテスト
SQLServer記載なしSQLServer 2012 でテスト
必要な拡張pg_trgm / btree_gist / unaccent記載なし
既にMySQLで動いている環境があるなら、OpenProjectは検討対象から外れます。「あとでDBを変えればいい」で済む話ではありません。バックアップ・監視・運用手順まで全部PostgreSQL前提になります。
逆に Redmine は SQLite3 でも動くため、1台のノートPCで試すことができます。この差は「試しやすさ」に直結します。

5日本語 ─ 19ポイントの差

両方のロケールファイルを全キー突き合わせて数えました(複数形キーを除いた母数)。方法の詳細と、未翻訳がどの画面に集中しているかはOpenProjectは日本語で使えるのかに書いています。

日本語翻訳率(実測・2026-08-03)
Redmine 7.0.098.0%
OpenProject 17.6.078.9%
英語のまま残る項目は Redmine 27 に対して OpenProject 1,161。OpenProject 側は管理画面・個人設定・ワークフローに集中しており、日常操作の画面はほぼ日本語です。

6開発の活発さ ─ 本数は多い。それは良いことか

リリース本数(2026年)
35OpenProject(GitHubリリース)
10Redmine(バージョンタグ)
189OpenProject 累計リリース
229Redmine 累計バージョンタグ
OpenProject は 2022〜2026 の各年で 25〜35 本。Redmine は同期間で 7〜15 本。数え方が違う(OpenProjectはGitHubのリリース、RedmineはGitHubミラーのタグ)点に注意してください。
本数が多い=優れている、ではない

更新が速いということは、追随のコストも高いということです。セルフホストする場合、年30本のリリースに対してどこまで追うかを決める必要があります。Redmine の更新頻度の低さは「停滞」ではなく「枯れている」とも読めます。どちらが良いかは、運用に割ける時間で決まります。

7機能 ─ ガント・かんばんは「標準」だが、全部は無料ではない

OpenProject を選ぶ最大の理由は、ガントチャートやボード(かんばん)が最初から入っていることです。Redmine で同等を得るにはプラグインの組み合わせと、その保守が要ります。

ただし注意点があります。OpenProject の機能のうち30項目は有償の Enterprise 限定で、無料の Community 版では使えません。ソースコードの ee.features に機能名がそのまま列挙されています。

Enterprise限定に含まれる主なもの(全30項目のうち)
Advanced Boards高度なボード機能
Gantt PDF ExportガントのPDF出力
Team Planner Viewチームプランナー
Single Sign-OnSSO(SAML / OpenID Connect)
LDAP users and group syncLDAPのグループ同期
Custom theme and logo独自テーマ・ロゴ
全30項目の一覧と、無料版でどこまでできるかはOpenProjectは無料でどこまで使えるかにまとめました。「ガントが標準」は本当ですが、「PDFで出す」は有償——この線引きを知らずに導入すると詰みます。

8で、どちらを選ぶか

Redmine を選ぶべき場合日本語で確実に運用したい/MySQL や SQLite を使いたい/小さく始めて試したい/更新の追随に時間を割けない/日本語の情報と事例が多いほうが安心
OpenProject を選ぶべき場合ガント・かんばん・スクラムを標準機能として使いたい/プラグインの寄せ集めを保守したくない/PostgreSQL で問題ない/将来 SSO・LDAP まで見据える(=有償前提)
どちらでも詰まりやすい点どちらもセルフホストなら、バックアップ・アップグレード・SMTP・SSL・監視は自分で持つことになります。ここは製品選定では解決しません
正直なところ日本語の完成度だけを見るなら Redmine が上です。自社製品が OpenProject でも、この事実は曲げません

設定と運用を、こちらで引き受けます

Projo は OpenProject を日本語・フルマネージドで提供します。PostgreSQLの用意もアップグレード追随も、英語が残る管理画面の設定も、こちらの担当です。

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よくある質問

OpenProjectとRedmineはどういう関係ですか?

OpenProjectはRedmineの派生です。ソースコードの著作権表記に「OpenProject is a fork of ChiliProject, which is a fork of Redmine.」と明記され、Jean-Philippe Lang氏(2006-2013)とChiliProject Team(2010-2013)の著作権表示が続いています。Redmine→ChiliProject→OpenProject という二段の分岐です。

ライセンスは同じですか?

違います。OpenProjectはGPL version 3、RedmineはGPL version 2です。どちらもSaaSとして運用するだけなら改変の公開義務は生じませんが、配布を伴う場合や両者のコードを混ぜる場合は条件が異なるため確認が要ります。

日本語化はどちらが進んでいますか?

Redmineです。全キー突き合わせの実測で、Redmine 7.0.0が98.0%(英語のまま27項目)、OpenProject 17.6.0が78.9%(同1,161項目)。約19ポイントの差があります。

データベースの選択肢は同じですか?

大きく違います。OpenProjectはPostgreSQL 16以上を公式サポートし、システム要件にMySQLの記載はありません。公式の導入FAQには「両方を支え続けるのは現実的でない」としてMySQLのサポートを外す方針と、pgloaderでPostgreSQLへ移行する手順が書かれています。RedmineはMySQL・PostgreSQL・SQLite3・SQLServerが使えます。既存のMySQL資産がある場合、OpenProjectは選べません。

開発の活発さはどちらが上ですか?

リリース本数ではOpenProjectです。2026年はOpenProjectが35本、Redmineがバージョンタグ10本でした。ただし本数の多さは品質を意味せず、セルフホストでは追随コストにもなります。

結局どちらを選ぶべきですか?

日本語で確実に、MySQLで、小さく始めたいならRedmine。ガント・かんばんを標準機能として使いたいならOpenProjectです。ただしOpenProjectは主要機能の一部が有償のEnterprise限定である点にご注意ください。

この記事は、私たちが OpenProject を日本語のフルマネージドサービスとして提供する(Projo / 運営 Miqto)ための調査として書いたものです。あわせて読む:OpenProjectは日本語で使えるのかOpenProjectは無料でどこまで使えるかOpenProjectのインストール手順Redmineが日本で強い理由と、その市場構造

出典

  1. OpenProject 公式リポジトリ(タグ v17.6.0) — github.com/opf/openproject(取得日 2026-08-03)
  2. Redmine 公式リポジトリ(タグ 7.0.0・2026-06-30) — github.com/redmine/redmine(取得日 2026-08-03)
  3. OpenProject 料金 — openproject.org/pricing(取得日 2026-08-03)
  4. OpenProject システム要件 — openproject.org/docs/…/system-requirements(取得日 2026-08-03)
  5. OpenProject のライセンス表記 — LICENSE および app/models/project.rb 冒頭の著作権コメント(タグ v17.6.0
  6. Redmine のライセンス表記 — doc/COPYING(タグ 7.0.0
  7. Redmine の動作要件 — doc/INSTALL(タグ 7.0.0
  8. Enterprise限定機能の一覧 — config/locales/en.ymlee.features(30項目・タグ v17.6.0

翻訳率は「英語ロケールに存在する文字列キーのうち複数形キーを除いたもの」を母数とし、「日本語ロケールの値が英語と一字一句同じ」を未翻訳と判定しました。リリース本数はOpenProjectがGitHubのリリース、RedmineがGitHubミラーのバージョンタグで、数え方が異なります。いずれも2026-08-03時点の値で、時期によって変わります。