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一次情報 ・ 公式ドキュメントとcomposeを実読

OpenProjectのインストール手順とつまずき所

公式が推奨するのは Docker です。ただし公式composeの既定PostgreSQLは13なのに公式要件は16以上既定のDBパスワードは p4ssw0rdMySQLはサポートを外す方針Windowsは対象外。公式ドキュメントとcomposeファイルを直接読んで、先に詰まる場所を洗い出しました。

公開:2026-08-03対象:OpenProject v17.6.0測定日:2026-08-03

1先に、つまずく4か所

導入前に知っておくべきこと
① MySQLは使えない公式のシステム要件はPostgreSQLのみ。導入FAQにMySQLのサポートを外す方針が明記されています
② 公式composeの既定PostgreSQLは13ところが公式要件は16以上。既定のまま立てると「非公式サポート」の構成になります
③ 既定のDBパスワードが p4ssw0rdstable/15〜17 すべて同じ。上書き前提の設計ですが、変えないまま運用しないこと
④ Windowsは対象外「At the moment this is not officially supported」。パッケージ版もUbuntu 24.04以降は提供予定なし

2インストール方法は5つ。公式の推奨はDocker

公式ドキュメントは次の5つを挙げ、「We recommend using the Docker installation.」と明記しています。

  1. Docker Compose — 「Recommended setup for OpenProject in an isolated manner using Docker Compose」
  2. DEB/RPM パッケージ — 「limited supported distributions」(対応ディストリビューションは限られる)
  3. 単一Dockerコンテナ
  4. Helm チャート
  5. その他(Kubernetes 等)
パッケージ版を選ぶ前に

公式に「今後の機能の一部はDocker版でしか提供しない予定」「Ubuntu 24.04のような新しいLinux向けのパッケージを提供する予定はない」と書かれています。新規に建てるならDocker版一択と考えてよいでしょう。

3サーバーの大きさ

公式の最小システム要件
4CPUコア(2GHz以上)
4,096メモリ MB
20空きディスク GB
200この構成で想定される総ユーザー数
「同時実行が少なければ」という条件つきです。公式は「1,000人でも100人でも、同時に使うのが20人なら要件は同じ」という趣旨の説明をしています。効くのは総数ではなく同時実行数です。

規模が大きくなった場合の目安も公式に載っています(ガイドラインであり、実際の監視結果に合わせて調整することと明記されています)。

規模データベースアプリ側CPUディスク
2 CPU / 4 GiB RAM2 CPU20 GB+添付分
2〜4 CPU / 8 GiB RAM4 CPU50 GB+添付分
4〜8 CPU / 16 GiB RAM8 CPU100 GB+添付分
〜500ユーザーあたり2 CPU / 8 GiB RAM4〜6 CPU+20〜50 GB

4データベース ─ ここが最大の分岐点

OpenProject は実質 PostgreSQL 専用です。公式のシステム要件に挙がっているのは PostgreSQL だけで、MySQL の記載はありません。そして公式の導入FAQには、はっきりこう書かれています。

「OpenProject has traditionally supported both MySQL and PostgreSQL, but in order to optimize for performance and SQL functionality, it is unfeasible to support both DBMS…」

「This led us to the path of removing support in the upcoming stable releases of OpenProject…」

OpenProject 公式ドキュメント Installation FAQ「Can I use MySQL instead of PostgreSQL?」より

既存のMySQL環境からは pgloader を使ってPostgreSQLへ移行する手順が公式に案内されています。「MySQLでも動くだろう」で計画を立てないでください。

必要なPostgreSQLのバージョンと拡張

OpenProject 16.0.0 以降、公式サポートは PostgreSQL 16 以上。13〜15については「公式サポート対象外だが動作する可能性はある。ただし非互換や性能劣化を招きうる」と明記されています。
あわせて拡張が3つ必要です:pg_trgm(あいまい検索)/btree_gistunaccent(ダイアクリティカルマーク除去)。マネージドDBを使う場合、これらの拡張が有効化できるかを先に確認してください。

5公式composeをそのまま使ってはいけない2点

本番向けの構成は opf/openproject-docker-compose リポジトリの stable/<メジャー> ブランチにあります(OpenProject本体のリポジトリ直下にある docker-compose.yml は開発用で、openproject/dev:latest を使っています。間違えないでください)。

# 本番用はこちら(メジャーごとにブランチが分かれている)
git clone --branch stable/17 https://github.com/opf/openproject-docker-compose

# 開発用(本番に使わない)
# https://github.com/opf/openproject/blob/dev/docker-compose.yml  ← openproject/dev:latest
① データベースのパスワード POSTGRES_PASSWORD の既定値 p4ssw0rd のまま必ず .env で上書きする stable/15・16・17 のいずれも POSTGRES_PASSWORD: ${POSTGRES_PASSWORD:-p4ssw0rd} です。これは環境変数で上書きする前提の設計で、db サービスは backend ネットワークのみに接続されホストにポート公開されていません(外部に開いているのは proxy${PORT:-8080}:80 だけ)。ただちに侵入されるものではありませんが、既定値のまま運用する理由はありません。
② PostgreSQL のバージョン POSTGRES_VERSION の既定値 13 のまま16 以上を明示する 公式composeは image: postgres:${POSTGRES_VERSION:-13} です。一方で公式のシステム要件は16以上を公式サポート、13〜15は対象外と書いています。既定のまま立てると、同じプロジェクトの要件が「非公式」と呼ぶ構成になります。新規構築なら最初から16以上にしてください。
stable/17 の構成(実際のcomposeより)
proxy${PORT:-8080}:80 を公開。frontend ネットワーク
webアプリ本体。frontend と backend の両方
workerバックグラウンド処理。backend のみ
db / cachePostgreSQL と memcached。backend のみ・ポート非公開
イメージは openproject/openproject:${TAG:-17-slim}autoheal/var/run/docker.sock をマウントする点は、権限設計上おさえておく価値があります。

6立てたあとに残る仕事

インストールが終わっても、運用として持ち続けるものがあります。ここを見積もらないと「安く済んだつもりが一番高い」になります。

アップグレード追随OpenProject は 2026年に35本リリースしています。どこまで追うかを決め、検証環境を用意する必要があります
バックアップと復旧試験PostgreSQLのダンプと添付ファイルの両方。取るだけでなく戻せることの確認までが仕事です
メール送信通知が届かないと使われなくなります。SPF・DKIM・DMARC の設定が要ります
HTTPS と公開設定composeが公開するのは平文の8080です。前段にリバースプロキシと証明書が要ります
英語が残る管理画面設定側は英語が多く残ります(管理画面74%・個人設定90%が英語のまま/実測
脆弱性の追跡自分で建てた以上、セキュリティ更新の適用も自分の責任になります

7自分で建てるか、任せるか

自分で建てるのが向く場合Docker と PostgreSQL の運用経験がある/検証環境を用意できる/月に数時間、更新と障害対応に割ける/社内利用でSSOが要らない
任せるのが向く場合25人未満で公式クラウドを契約できない/PostgreSQL 16の用意や拡張の有効化が負担/英語の管理画面を触りたくない/本業の時間を削りたくない

構築も、更新の追随も、こちらで

Projo は OpenProject を日本語・フルマネージドで提供します。PostgreSQL 16 の用意も拡張の有効化も、バックアップも更新追随も、こちらの担当です。

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よくある質問

OpenProjectのインストール方法は何がありますか?

公式ドキュメントには Docker Compose、DEB/RPMパッケージ、単一Dockerコンテナ、Helmチャート、その他(Kubernetes等)の5つが挙げられており、「We recommend using the Docker installation.」としてDockerが推奨されています。

必要なサーバーのスペックは?

公式の最小要件はクアッドコアCPU(2GHz以上)、メモリ4,096MB、空きディスク20GBです。効くのは総ユーザー数ではなく同時実行数で、約500ユーザーあたりデータベースに2CPU/8GiB RAM、アプリに4〜6CPUという目安が公式に示されています。

MySQLは使えますか?

実質使えません。公式のシステム要件に挙がっているのはPostgreSQLだけで、MySQLの記載はありません。公式の導入FAQには、性能とSQL機能の最適化のため両方を支え続けるのは現実的でないとして、MySQLのサポートを外す方針が書かれています。既存のMySQLからは pgloader でPostgreSQLへ移行する手順が案内されています。

PostgreSQLはどのバージョンが必要ですか?

OpenProject 16.0.0以降、公式にサポートされるのはPostgreSQL 16以上です。13〜15は「公式サポート対象外だが動作する可能性はある。ただし非互換や性能劣化を招きうる」と明記されています。拡張として pg_trgmbtree_gistunaccent が必要です。

公式のdocker-composeをそのまま使って大丈夫ですか?

最低2点は変更すべきです。1つはデータベースのパスワードで、stable/15〜17のいずれも POSTGRES_PASSWORD の既定値が p4ssw0rd です(環境変数で上書きする前提の設計で、DBコンテナはホストにポート公開されていません)。もう1つはPostgreSQLのバージョンで、既定の POSTGRES_VERSION が13のため、公式が推奨する16以上に上げる必要があります。

Windowsで動きますか?

公式に「At the moment this is not officially supported」と書かれており、サポート対象外です。またパッケージ版については、Ubuntu 24.04のような新しいLinuxバージョン向けを提供する予定はないと明記されています。

この記事は、私たちが OpenProject を日本語のフルマネージドサービスとして提供する(Projo / 運営 Miqto)ための調査として書いたものです。あわせて読む:OpenProjectは日本語で使えるのかOpenProjectとRedmineの違いOpenProjectは無料でどこまで使えるか

出典

  1. OpenProject 公式リポジトリ(タグ v17.6.0) — github.com/opf/openproject(取得日 2026-08-03)
  2. Redmine 公式リポジトリ(タグ 7.0.0・2026-06-30) — github.com/redmine/redmine(取得日 2026-08-03)
  3. OpenProject 料金 — openproject.org/pricing(取得日 2026-08-03)
  4. OpenProject システム要件 — openproject.org/docs/…/system-requirements(取得日 2026-08-03)
  5. OpenProject 公式ドキュメント Installation FAQ(MySQL に関する記述) — docs/installation-and-operations/installation-faq/README.md(タグ v17.6.0
  6. OpenProject 本番用 docker-compose — github.com/opf/openproject-docker-composestable/15stable/16stable/17(取得日 2026-08-03)

既定パスワードとPostgreSQLの既定バージョンは、上記composeファイルを直接読んで確認した2026-08-03時点の値です。いずれも環境変数で上書きできる設計であり、脆弱性の指摘ではなく「既定のまま使わないこと」の注意喚起です。公式の記述は原文のまま引用し、訳は当サイトによります。